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去る3月7日~10日、マイアミ・コンベンションセンターにて第16回シートレード・クルーズコンベンションが開催された。このシートレードには造船、サービス・プロバダー、港湾局、観光局など会場には900にものぼる出展があり例年にない盛り上がりをみせていた。
シートレード・コンベンション・メインオーガナイザーのクリストファー・ヘイマン氏は今シートレードのテーマを「ゴロウス・ディバーシフィケーション・アンド・ソフィティケイト」(成長、多種多様そして洗練 )と語っている。
客船産業のここ数年の急速な成長は、多くの異業種からの参加をそくし、客船産業は今や最も熱い時代を迎えている。さて時代は21世紀を迎え次世代を見据えたテクノロジーを搭載した機器が今年は多数会場を賑わせていた。例えば1996年に初めてカーニバル社の客船イレーションに採用された推進システム・アジポットは昨年デビューしたボイジャーオブザシーズへも搭載され、今後ロイヤルカリビアン・インターナショナル社、カーニバル社、そしてコスタ社の新造船すべてに搭載されることも決定されすっかり今のトレンドとなった。また今シートレードで一際注目されていたのはフィンランドに本社を置くワルツィラ社のスモークレス・パワーといった画期的エンジンシステムであろう。ファンネル( 煙突 )からの煙の排気を一切なくし、現在叫ばれている環境保護の面において大きくアピールしたもので業界関係者たちの関心を集めていた。またコミュニケーション・システムにおいては、時代の先端とも言えるインターネットがいよいよ昨年より客船にも搭載され始め、将来ほとんどの客船がこのシステムを搭載するであろうことは疑いの余地はない。今シートレードではそのシステムのネットワークをさらに活かすメディア関連の企業の参加も幾つか見られ今後のコミュニケションにさらなる可能性を示した。
7万トンクラスの客船はもちろんカーニバルディスティニー、グランドプリンセス、ボイジャーなど10万トンクラスのように2000人~3000人と非常に大人数からなる乗客をハンドリングせねばならぬ客船にとって彼等の乗下船をいかに安全、かつスムーズにすることができるかといったことは最大の課題である。今回シートレードに出品されたSISCO社はもともと政府、空港に置かれるセキュリティシステムなどに実績のある会社で彼等の機器はまさに客船会社が求めていたものであった。この世界への参入はまだ日も浅いメガシップの登場で一躍注目を浴び、ザガミ社長は予想以上の依頼にこの業界に確かなる手応えを感じたと完成したばかりの次なる新システムを前に自信に溢れた口調で語ってくれた。
さてヨーロッパの主要な造船所であるがかなり先までどの造船所もここしばらくはフル稼働状態が続いている。納期を守って客船会社へのデリバリーと、この状況の中どのように客船会社と向き合って行くかが将来の課題であると造船会社最大手のアルストムのセールスマネージャーは言う。今回の参加で特に目を引いたのは、ヨーロッパ、アジア、南米を中心とした各国(各都市 )の港湾局や政府観光局のブースが昨年以上に増えたことであろう。客船会社側からすれば、今後いかにカリブ海、アラスカに次ぐディストネーションとマーケットを開拓することができるかが最大の問題だ。またここ数年7万トン~14万トン(乗客数2000~3000人規模)の客船の相次ぐデビューで港湾局や政府観光局も客船誘致に積極的だ。課題は7万トン~15万トン規模の乗客を受け入れる設備があるかどうか、そして広い範囲での魅力的な何かを近郊に持っているかどうか。また客船オーナーにとっての港使用コストや空港からのアクセスなども大きな条件となっている。その他、内外に関する客船のデザイン、食器類と言ったダイニング用品、インテリアなど生活空間に潤いを与える業種からの参加はさらに充実さを増した。また大手写真機メーカー3社は水、薬品を極力抑えたデジタル現像機をコンピューターで結び、いかに他社に負けぬ映像表現を可能とするか熾烈な競争の中にあった。
クルーズ・インターナショナル・アソシエーション(通称CLIA)の発表によると今年のクルーズ産業は昨年に比べ9%の伸びが予想されるとのこと。これは今年北米をマーケットとする客船がさらに13隻デビューする予定からはじき出された数値である。これによって昨年と比べ乗客収容スペースが10%増加するのだそうだ。また1990年半ばからはバハマ諸島が地中海、アラスカを抑え第2位の人気のディストネーションに躍り出た。これは彼らの精力的な客船に対するマーケティングとここ数年の新造船デザイン(サイズが7万トンクラス以上 )に負うところが大きいとも言われている。ちなみに1986年、56歳であった平均乗客年齢は現在46.2歳とグッと若返り、人々はクルーズに“現代センス溢れ、経済的な価値の高いバケーション ”と言ったイメージを抱き始めているのだそうだ。引き続きCLIAが予想する5年後の客船数はと言うと1999年には158隻の客船が北アメリカをマーケットとするクルーズを展開していたのに対し、2004年には38%増加し206隻もの客船がそこに配船されるのだそうだ。それら客船への投資額なのだが総額で約150億ドル、日本円に換算すれば約1兆6500億円とも言われる大変な資金が市場へと流れるわけである。またそのベット数も半端ではない。1999年に148237ベットであったものが2004年には53%増の226222ベットになるものと推定されている。客船産業は今や大変巨大で有望な産業へと変貌を遂げている。この世界に身を置く者だけでなく他業種にとっても大いに関心のあるビジネスになろうとしているのもここ数年の傾向だ。 |