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1997.6
ウインドスター・クルーズは“スター ”、“スピリット”、“ソング ”という3隻の帆装客船を所有する客船会社である。それ らの船にある4本のマストは最新のコンピューター・テクノロジーによって制御されヨットとクルーズシップの両方の魅力を兼ね備えている。客船総トン数5700トン、乗客数148人。その比率からいえば同クラスの客船として、プライベートヨットタイプの“シーゴデス ”や“シーボン ”の名が挙げられるのだがウィンドスター・クルーズは食事、サービス、雰囲気がそれらの船同様に5スタークラスの要素を持ちながら、船内ではいつでもノーネクタイ、ノーフォーマルといったふうに、常にカジュアルで、乗客が肩のこらないクルーズライフを楽しめるように努められている。そしてそれこそが彼等の客船の最大の特徴だ。ウインドスターの船には他の客船のようにビンゴやプロダクションショーといったものはない。食事の時も、乗客は会話を楽しむくらいで特にショーアップされたものは用意されていない。
風をつかみ、頭上を覆うかのように大きく広げられた幾枚もの帆、常に360度の海が身近に感じられることが最大の魅力だ。そんな自然との触れ合いは何ものにも替えることのできぬ素晴らしい体験であろう。
3船とも各パブリックスペースの色使いが若干異なる以外は、デザイン・レイアウトもほぼ共通し、デスティネーションには客船の魅力を最大限に満喫できるように素晴らしいクルーズ・エリアが用意されている。例えば、ウインドソングは年間を通しポリネシア、タヒチを巡る。ウインドスターとウインドスピリットは11月から3月まではカリブ海、その後、エーゲ海とトルコに就航する予定だ。スタッフの国籍はオフィサーはノルウェー人とイギリス人で、ホテルスタッフはアメリカ、フランス、オーストラリア、ドイツ、ポルトガル、南アフリカ人、キャビンやバーのスタッフはインドネシア人で構成されている。彼らの多くは彼等の親会社でもあるホーランドアメリカラインが所有するシカゴのトレーニングスクールでトレーニングを終えた後、就いている。現在のところ乗客の90%は北アメリカから、残りの約10%はヨーロッパ、南アメリカ、南アフリカからの乗客である。ちなみに平均年収は約10万ドルで弁護士、アーチスト、プロデューサー、ディレクター といったクリエイティブな職業の人間が多く、その中にはエンターティメント業界のものもいると言う。またリタイアした方やハネムーンの乗客も多数乗船している。彼らに共通して言えることは、仕事を離れると行動的で、そしてラフで着飾らない旅を好んでいるということなのだそうだ。リピーター率は約30~35%でこれは他の客船と比較してもかなり高い方である。広告は特に大きくは出していないが、乗客の多くは口コミで彼等の客船のことを知ると言う。船内で最近とり入れられた新しい試みのひとつにロサンゼルスでも有名な“ペティーナレストラン”とのパートナーシップにより、そこのシェフによってウインドスター・クルーズのために何点か、特別料理がデザインされた。彼の料理のスタイルは“カリフォルニア・ ベンチャラス(カリフォルニアの冒険)”と呼ばれ、従来のコンチネンタル風のものとは一風変わったもので、チキンや羊を中心としたメニューはとても評判がいいようだ。その他、カロリーを気にしている方のために“スパ・クルージング ”と呼ばれる軽くてヘルシーなメニューも用意される予定となっている。ユニークな試みとして“シグネチャー・ボヤージ ”と呼ばれるテーマクルーズが新たなプログラムとして設けられた。これはあるジャンルの著名な方を講師に招いたものであるが、非常に人気が高いと言う。現在アジア方面においては、インドネシアやマレーシアなどへの航海も思案中だ。「21世紀を間近に控えウインドスター・クルーズは今後とも5つ星のクルーズをカジュアル名雰囲気で楽しめる客船を目指していくつもりです。」 と広報担当者は語った。
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