DISENEY of cruise-ok



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1996.12


「現在アメリカ国内におけるクルーズ人口はアメリカ総人口の約5%、つまりクルーズ産業はこの5%をターゲットに熾烈な競争をしているのです。ディズニークルーディズニー・マジック 016.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。ズが主なターゲットにしているのは、クルーズに参加したことのない人たち、つまり残りの95%なのです。」と語るのはマーケティング部門のバイスプレジデントでもあるケネス・ボトラック氏だ。注目すべきは彼が言うようにディズニーは全く異なった発想を持ってクルーズビジネスに参入してきたということである。彼等は従来のクルーズ経験者のみならず、他客船が見逃していたはるかに巨大なマーケットにその夢を託していた。「どうして乗客がクルーズにためらいがあるのかを考えれば、そこにはいくつかの理由が考えられます。例えばキャビンスペースのこと。またクルーズ中何をしてよいのかわからないといったこと。そして高齢な客層の方達への対応について。さらには船酔いのことなどなど。客船会社が認識しなければならないこととは、乗客はクルーズに常に大きなリスクを背負っていることなのです。」と氏は言う。ごく限られた知識しか持ち合わせぬ特に船旅初体験の人達は常にある種の不安感を抱いているのだそうだ。そして「その時の船旅の善し悪し次第でその後の彼らのバケーションに船旅が加わっていくのかどうかが決ってくるのです。」ディズニークルーズ社はテーマパークであるディズニー・ワールドなどで培ってきた独自の経験を活かし、それらを客船に反映することに努めたのだ氏は言う。またディズニーがふたつ目に重視していることとは船旅を初めて経験する乗客への配慮であった。例えばキャビンは他の客船の平均サイズより約25%広く、また大きくとられた窓やベランダによって閉所ゆえの不快感を軽減させた。
さらにキャビン内についてはたっぷりとスペースが設けられ、キャビンを別々の空間としても分けることも可能とした。例えば3~4人での室内利用であってもプライバシーを確保することが可能と言う。またバスルームもシャワー、トイレについてもそれぞれ独立したデザインが施され、複数の人間が同時にバスルーム、トイレを使用することができるようにもしたと言う。船はトランス・ディズニー・マジック 053.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。パスフィック時代のオーシャーンライナー(大西洋横断船 )を思い起こさせるクラシックな客船をベースにデザインされ、また船内には奇想天外なアイデアがふんだんに盛り込まれた。2本の煙突の内の一方がダミーで内部がスポーツ・バーとなっているのもそのいい例かもしれない。人々がクルーズに対し期待する事柄の中で最も関心の高いのが次の3つだと言う。そのひとつは『エンターテイメント』である。「我々は、ウォルト・ディズニーカンパニーです。
どの客船より素晴らしい未だかつてなかったエンターテイメントを多数ご用意しております。」まずそのひとつに座席数数千を誇る大劇場ウォルト・ディズニーシアターがある。ここでは現在ブロードウェーで公開され成功を収めている“美女と野獣 ”と同レベルのミュージカルがディズニーマジック風にアレンジされ披露される予定となっている。また“ボナベスト・シアター ”と呼ばれるレストランでは子供達のためのキャラクターショー、映画の上映を、“リッチマン・プログラム ”では、大人のためにワインのプログラムやスペシャル・レクチャーが企画されている。それらはすべてディズニーによって考え出されたオリジナルプログラムである。そして『ダイニング』の魅力も乗客が強く関心を示していることのひとつであろう。ディズニーの客船には4つのレストランがある。メニューはイタリアン、メキシカン、フレンチ、アジアなど各国のものが用意されているのだが、もちろんそれらのレストランにもディズニー流の演出が施されている。“エネメータース・パレット”というレストランではウエイターの服装から内装、テーブル、お皿まで、全てモノトーンで配色されファンタジーの世界が演出されている。「食事がテーブルに並び始めるにつれ、室内に音楽が流れ、徐々に周囲が色付けされていくのです。」“ルミエール ”はあの“美女と野獣 ”に登場したレストランが再現されている。「そこではお客様ご自身が物語りに参加しているような気分を味わえることでしょう。」そして最後は『サービス』についてであるが、彼等はこれを“ディズニー・スタイル・サービス”と呼んでいる。「それはエレガントなだけでなくとてもフレンドリーなものとでも言いましょうか。」また日本など、外国からの乗客に対応し、場合によっては通訳のできる者が出迎えクルーズ中ずっと付き添うという特別なサービスも検討中なのだそうだ。 ディズニー・ワールドの魅力をそのまま取り入れたものに子供達のための施設も用意されている。他の客船の5~6倍の広さのスペースを子供達のために持たせ、40~45人のユーススタッフが責任を持って幼い子供達の面倒をみることとなる。一方で殆どの客船が備えるカジノのようにギャンブルがディズニーにふさわしくないと考えあえて除かれたスペースもあった。20694.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。「カジノを楽しみたい方は、その機会をクルーズの寄港地でもあるナッソー(バハマ諸島の島 )で持つことができるでしょう。」 客船料金は陸上(ディズニーワールド)と海(ディズニーマジック)を組み合わせた7日間の“バケーション・パッケージ ”が基本となり設定されているのも他の客船にはないディズニーの戦略であろう。(例えばクルーズの前後3~4日間をテーマパークのディズニーワールドで過ごし残りの3~4日をディズニーマジックの船上で楽しむというもの)。パッケージにはクルーズ料金、ディズニー系ホテルの宿泊費、テーマパーク入場料、移動時の交通費が含まれこれに航空機代が加わることになる。もちろん客船乗船のみの販売も行っている。さて就航コースはポート・カナベラルを出発しバハマ諸島のナッソーとカスウェー・キーの2つの島を訪れる。カスウェー・キーとはディズニーが所有するバハマ諸島に浮かぶプライベート・アイランドである。島にはゲストのために“バハミアン・マーケット”というダイニング、バスルーム、シャワーなど様々な設備が揃えられ乗客を迎えている。 客船“ディズニーマジック ”に続き早くも第2船“ディズニーワンダー ”のデビューの発表がなされた。今後もし第3船、4船の建造があるとすれば将来、同じくディズニーランドを持つロスや東京(浦安 )にそれらの客船が運航される可能性は?との質問に「それは素敵なアイデアですね。うまくいくのであれば、そうなるでしょう。それは我々ディズニーの夢でもあります 。」しかし日本に客船がやってくる前に海や水をテーマとした新しいテーマパークでもある“ディズニーシー ”が完成してしまった。もしかしたらこの質問の時点にすでにその構想はできていたのかもしれない・・・。