CUNARD of cruise-ok



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1998.6
Mr.Peter J Bates ( Excutive Vice President Sales and Marketing ) 


1997年もあと数ヶ月で終わりを告げようとする頃、キュナード社がニューヨークからマイアミへと本社を移すといった衝撃的なニュースが流れてきた。
実はキュナードは3年前から会社のロケーションを移すことを考えていた。
それは多くの大手旅行会社がそこを離れる理由と同様ニューヨークの地価が高額であることがまずそのひとつであった。
またその他にマイアミが客船産業の中心にあることも大きな理由であった。
カリブ海を中心としたクルーズ産業はその起点となるマイアミにいつの間にか多くの人間達を客船ビジネスへと関わらせていたのだ。QE20028.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
また客船に関しての施設や環境に恵まれていたこともキュナードをマイアミへと向かわせた理由であった。
ニューヨークに本社が置かれていた頃、キュナードは運営と管理をマンハッタンに、一方予約と会計はロングアイランドといったように2ヶ所の離れた場所に会社を持っていた。そのためスタッフ同士のコミュニケーションがうまくとれないという大きな問題に常に悩まされていた。それに対しマイアミではすべてがひとつのビルの中にあるため、コミュニケーションも良くなり仕事もスムーズにはかどるようになったのだとキュナード社のセールス&マーケティング、エグゼクティブバイスプレジデントのピーター・バテス氏は語った。1996年の4月までキュナードは香港にあるジャーディン・グループ・オブ・カンパニーのトラファルガーハウスがオーナーであったが、97年10月よりノルウェーの会社の“クバーナ・グループ ”が新たにキュナード社を引き継ぐことになる。キュナード社の社長であったピーター・ワード氏はそのままジャーディンに留まることになり、クバーナには新しいプレジデントとしてパリス・カトソフィット氏が招かれた。QE20269.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。
「新しい社長でもあるカトソフィット氏はラグジュアリークールズビジネスに対して豊富な経験を持ち船のことについてとても良く理解し、さらに船の技術的なことの知識も持たれております。彼はここ数年間の中でキュナードに何が欠けていたかを良く理解しているでしょう。また、彼の経験はキュナードを将来において最上級の客船会社として維持する助けになることと思います。」新体制での新たなスタートを切るにあたり社内のスタッフ構成等大規模な改革がなされた。まずスタッフオペレーションと中堅クラスのマネージメントスタッフ達がマイアミで募集され、またマイアミに移るにあたりキュナード社は経験豊かな管理職のほぼすべてをマイアミに転勤させるのに対し、経理スタッフの7~8割をカットするという大胆な決断もなされた。「今回の思い切った決断は良いことだと思います。と言うのも彼ら社員にとっては今までがあまりにも長くキュナードという会社に漬かりすぎていたからです。キュナードは新しいアイデアとハイクラスのサービスを提供している小規模な会社のように哲学と信念を持ち、独自の方向を切り開くことのできる新しい人員を必要としていたのです。」マイアミに移転したことでようやくこの大きな改革が実現できたと氏は語り、まだ移ったばかりの会社の中を案内してくれた。「しかしお客様にとってはキュナードの目指す方向は今までとなんら変更されることはありません。
あくまでもベルリッツや他の旅行雑誌が評価するようにどのカテゴリーにおいてもキュナードは世界でもナンバーワンのラグジュアリークルーズ社であることには変わりはないのです。」大きな節約は我々が目にすることがないアカウントや予約のような経理部門でなされ、キュナード社は子細にわたるサービスに取り組むことで客船を常に最高の状態にするよう努めているのだと言う。今回の移転に際し97年度だけで約4500万ドルという巨費がカスタマーサービスと客船に投じられそれぞれがリフレッシュされた。
その内訳として1800万ドルを高品質で伝統スタイルを維持させるために“QE2”に、そして200万ドルを現代的でより洗練されたアップグレードの客船にさせるため“ロイヤルバイキングサン”に、“シーゴディス”の2船には21世紀を意識した次世代プライベートヨットタイプの客船を目指しインテリアを中心に手が加えられ350万ドルがそれぞれ投じられた。また1000万ドルが“ビスタフィヨルド”に、そして800万ドルがコンピューターと情報システムといったところに使われ社内のスリム化も同時にはかられた。と言ってもQE2、ロイヤルバイキングサンの船内に働くクルーの構成、サービスにイメージを変えるような特に大きな変更があったわけではない。
むしろ大規模な投資はそれら客船をより質の高いものにしているのだと氏。98年まではプロモーション、広告といったものに特に変更はないのだが、99年からキュナードのプロダクトでもある“よりラグジュアリー ”というコンセプトを表現するためなんらかの新たな変化がなされるようだ。また寄港地に関しても99年までのものはすでに出来上がっているためそちらの方も変更はないと言う。キュナードが掲げている当面の目標は利益を伸ばし株主達に投資以上のものをもたらすことである。具体的な数値を上げると97年、98年は28%の収益増を実現させ、98年に関しては現段階で先の予約分だけですでに彼等の計画の60%が達成された。持株会社でもあるコベナは現在もまだパートナー(投資家 )の方々を探している最中だ。なぜならば20000トンクラスでちょうど“ロイヤルバイキングサンクラス”の2隻の客船の就航が計画されており、フィンランドの造船所で建造される予定だからである。 「我々が“ザ・ワールド・ナンバーワン・ラグジャリーフリート”と自負するキュナード・クルーズラインの姿勢は今後も変わることはありません。

1999.12
Mr.Hans Rood ( Director of Worldwide Sales Cunard Line Limited) 


客船会社同士の買収、合併が相次ぐ中、カーニバルによるキュナード買収と言うビッグニュースが飛び込んできたのは昨年4月( 1998年 )のことであった。今後の戦略、そしてにわかに浮上した“クイーンメリー・プロジェクト”について話をうかがった。新しいオーナーでもあるカーニバル・コーポレーションはキュナードを傘下に治めたことで、今後“キュナード”と“シーボーン ”という2つのブランドによって“ウルトラ・ラグジュアリーマーケット”をターゲットに販売を進めることになる。まず 『キュナードブランド 』には“クイーンエリザベス2世 ”と“カロニア ”(かつてのキュナードの名船 )に名を改める“ビィスタフィヨルド”、そして2002年にデビュー予定の“クイーンメリー ”を、また『シーボーンブランド』にはカーニバル社が所有する“スピリット”、“プライド”、“レジェンド”の3船に“ロイヤルバイキングサン ”、“シーゴデス1”を加え、それぞれが“シーボーンサン ”、“シーボーンゴデス1”、“シーボーンゴデス2”と名を改め今後この6船体制で運航することとなる。 ところでカーニバル・コーポレーションは両ブランドを例えば「クリスタル 」、「シルバーシー 」と言った最高級の客船として知られるクルーズ会社のライバルとして、今まで築きあげてきた“キュナード”と“シーボン”の両ブランドを維持しながらもさらなる品質の向上に努めるため大規模な改装を施すことが決定された。本格的な改装がスタートするのは今年11月からで各客船は順次ドライドックに入り、その後客船は名前を変更し本格的に新たなスタートを切ることになる。改装の中心となるのはインテリア部門等で“QE2”に800万ドル、“シーボーンサン”に3000万ドルが投資される予定である。また“カロニア”にもそれ相当額の予算が組み込まれている。具体的にはQE2は新しい装飾とカーペットを、そしてレストランも磨き直される他、DSCF2583.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。随所に使用される鉄板は輝く真鍮へと取り替えられる予定となっている。また、“シーボーンシップ”についてはより洗練さを醸し出すため船内全体にわたり磨きが掛けられ、特にラウンジやバーエリアが大きく変更される他、装飾、家具、例えばグランドピアノ等も新しいものに取り替えられる予定となっている。 基本的に“キュナードブランド”の客船はロングライナータイプ(長距離 )の船として北アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心としたインターナショナルなマーケットに、一方“シーボーンブランド”の6船はキュナードが持つマーケットを補足する形で運航されることになる。例えば“キュナード”は英国のイメージを維持するクラシックでフォーマルタイプのサービスを提供する客船ということもあり年齢層はやや高めとなる。一方、“シーボーン”はサービスにスカンジナビアの香りを漂わせ乗客の多くは毎日がフォーマルディナーを好まず、それ以上にリラックスタイプのサービスを好む、例えばウォールストリートのブローカーの方々など、高品質のサービスを持ちながらカジュアルタイプの雰囲気を備えた客船となり、年齢層は前者より低くなるものと予想されている。

 クイーンメリー・プロジェクトについて


キュナードが現在進めている“クイーンメリー・プロジェクト”は、タイタニックとQE2の要素を合わせ持つ、かつてのトランスアトランティック(大西洋横断 )ライナータイプの客船を2002年に甦らせるというものだ。具体的にはタイタニックのようなエレガントさを漂わせた5スターのスーパーラグジュアリーライナーを目指し現代の要求を満たすように、DEG_4279.jpg写真をクリックすると拡大表示することができます。多くのアウトサイドキャビンとスイートを備える客船となる。客船サイズは11万トン、全長345メートル、最大スピード20ノットになる予定だ。そして乗客とクルーの比率は2:1であるが、初代のようにステートルームによって使用できるパブリックスペースの差別化はなされない。船内を飾る全体の装飾などはQE2に近いものになる予定だ。また種々のレクチャーやコンピューターコース、クッキングクラスのためのキッチン等、今までにはないユニークなパブリックスペースとしてトレーニングセンターが新たに設けられる。これは常に何か新しいものを学んでみたい乗客のためへの彼等のアイデアである。寄港地にはかつてのワールドクラスが立ち寄った港の他、トランスアトランティククルーズで知られるサウサンプトン、ニューヨークが選ばれている。また南アフリカのケープタウンなど・・・、新らしいところではマイアミ、バミューダが寄港地に加えられる予定だ。 “クイーンメリープロジェクト”が浮上してきた理由とは、例えば多くの乗客達はもうすでにカリブ海とアラスカクルーズを満喫している。『キュナード(カーニバルコーポレーションも含め )の戦略とはもし乗客方がクラシックなタイタニックタイプのラグジュアリーでエレガントな客船に乗船したことがないとしたならば、「クイーンメリーでそれはかなえますよ 」ということなのです。』またキュナードもQE2の戦略の成功でちょうど同様な客船を必要とする時期に来ていたこともこのプロジェクトを具体的なものとさせたと言う。映画タイタニックのヒットは彼等にこのプロジェクトを決定づけさせた要因でもあった。