MAYER of cruise-ok



HOME > REPORT > SHIP YARD > MAYER

メイヤー・ウェルフト造船所

1999.10
ドイツの名門「メイヤー・ウェルフト造船所」(ドイツ)


メイヤー・ウェルフト造船所は現在世界で4番目に多くの客船を世に送り出している造船所である。順位で言うとまずイタリアの“フィンカティエリ”が最大のシェアを誇り、次いでスカンジナビアの“クバナー・マサヤード”が、3番目にフランスの“アトランティック”、その後にメイヤー・ウェルフト造船所が続く。
彼等の造船所が業界でも珍しいのは“プライベートカンパニー”(個人所有の会社)であること。
「このことはクライアントの要求に対し、柔軟に対応できるだけでなく経営面に置いても大きなメリットがあるのです(例えばいちいち株主の承認を求める必要なく進められるということ)。また我々のように小規模にそしてプライベートカンパニーであることで緊急時での対処もしやすく、競争力の激しい海外のビジネスをする上でもコントロールがしやすいのです。」とメイヤー・ウェルフトのオーナー、ベルナルド・メイヤー氏は言う。 
「客船産業は乗客の方々がいかにしたらクルーズを楽しんでいただけるか、新しいアクティビティなど、常にアイデアを模索し続けております。
これらのアイデアというのは造船所で造られる場合が多く、造船に携わる技師たちは常に乗客の方々の関心の変化に敏感でなければなりません。」とメイヤー氏。
しかし、たとえそれを客船に反映させたとしても、造船に着手された2年前と完成した今とではまったく彼らの関心が変わることもあるのだと氏は言う。
「そのようなわけで完成し造船所を離れる客船それぞれには、先端のテクノロジーや洗練された設計が施されているということだけではなく、常に我々の新しい冒険的な試みやたゆまぬ努力が注がれてもいるのです。」 ここ数年のアメリカを中心としたクルーズブームはクルーズ産業全体を成熟させ、また今までにない新しいマーケットを開拓させることともなった。AU.jpg
例えばシンガポールをベースにしたスタークルーズは彼等の造船所で造られた客船が船隊に加わって以降もその人気は留まることを知らず、急速にアジアを代表する客船会社となった。
そのことで彼等はさらにスタークルーズと2船の造船契約を結ぶこととなった。
またヒュンダイ(韓国)は北朝鮮へのクルーズという冒険的な事業に乗り出していることを上げそのことが今後マーケットになんらかの変化を与えることであろうと氏は予測している。
「現在のクルーズ産業はここ数年今までクルーズとは無縁の方々の目にも触れる機会を多く得るようになりました。映画”タイタニック”の上映は我々にとっても願ってもない広告効果となり、より多くの方々がクルーズに対する知識を持ち始めるようになってきました。」とメイヤー氏。
さて、客船産業全体を眺めてみると、それらの多くは現在ハイレベルのものに達し始めている。
だがそこには常にマーケットの落ち込みという危険性も合わせ持っていることも忘れるわけにはいかない。
「ハイレベル(例えば先を見すぎて先行投資など)からの落下というのは企業にとっては時には致命傷ともいえる大きなダメージとなります。この産業に関わるものがなぜマーケットが上向き傾向でありながらも、慎重にならざるを得ないのかはそれが大きな理由でもあるからです。」 「つい先頃行われた各業界トップたちとの会議で私どもはクルーズ産業の将来にわたりまだまだ非常に明るいという感触を得ました。みなさん一同に口をそろえて言うことはマーケットは将来においてしばらく成長を続けていくだろうと言うことでした。実際今年、来年と我が社にも順調に新造船の依頼が入り我々もクルーズ産業のさらなるマーケット拡大を実感しているところです。
しかしながら、その一方でそれがどんなに成長を続けていたものであってもマーケットというものは常に不動というわけではありません。皆さんマーケットはいつかは低迷もしくは下がる時がくることも認識し、注意深くそれを見ているところであります。」