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1999.12
世界最大の客船としてデビューしたグランド・プリンセスの初代クルーズディレクターとなったケイス・コックス氏。彼の将来の夢はプロとなりPGAゴルフツアーに参戦しいろいろな国々を回ること。
実際大学までゴルフに打ち込んでいた彼であったが、根っからのエンターテイナーとしての素質に恵まれていたことからか生まれ故郷のテネシー州を離れロサンゼルスに移ってからはTVを中心としたシンガー&ダンサーとしての道を歩んでいた。
「ときには南太平洋の米軍基地ツアーや韓国のソウル、そしてフィリッピン等色々な国々への訪れたこともありました。」と当時のことを懐かしそうに振り返るコックス氏。そして1986年、プリンセスクルーズに26歳でプロダクションショーのエンターテイナーとして入り、28歳でクルーズディレクターに抜擢された。クルーズの世界に足を踏み入れアットいう間の12年。
「自分自身でもよくここまで続けてこられたものだと驚いております。この12年間はまさに私にとっても大変貴重なキャリアの凝縮でもありました。」彼が客船グランド・プリンセスのクルーズディレクターのポジションを射止めたのはそんな彼の経歴が評価されてのことなのであろう。
さてプリンセス社と彼との間で交わされた契約というのは4ヵ月間客船で働き、次の2ヵ月を休暇。これが半年ごとに繰り返えされると言う。
「乗船中4ヵ月の間ほとんど休みがないのは少しきついですが少なくともあと5年は続けるつもりです。」とコックス氏。
この世界では50代で尚現役で活躍するクルーズディレクターも多いのだそうだ。
「と言いましてもまあ先のことはわかりませんが・・。ただ私はこの仕事が大変気に入っており、また世界でも有数の大型客船の中で仕事ができることはとても誇りに思っております。」現在彼にはシンガーとして7年間共にクルーズの仕事をしていた妻と4歳半になる娘がいる。
休暇中彼のモットーはできるだけそんな家族と過ごすこと。
また叶えられなかったプロゴルファーの道ではあったがゴルフはプロである彼の兄と周り楽しんでいると言う。
「プロゴルファーになる夢は大きく遠のいてしましました。しかしだからといってゴルフへの情熱が失せたという訳ではありません・・。」とコックス氏。
クルーズディレクターの仕事はキャプテン同様、船内で最も重要な仕事の一つである。
客船が大型となれば当然彼が任される範囲も広くなると言う。グランド・プリンンセスでは彼はダンサー、ミュージシャン、DJ、プロダクションショーのエンターテイナー等総勢125名のスタッフを統括する立場にある。
具体的に言えば彼の仕事とは毎日のアクティビティのスケジュール調整や管理、イベントやショー、またスタッフのことやすべてのエンターテイナーに関する問題にも関わると言うように重責を担っている。
彼が実際乗客と接する上で最も心掛けていることとはまず第一に乗客達が楽しんで頂ける状況をつくること。そのため常に乗客の方々が何を要求しているのか耳を傾けていると言う。
「なにしろエンターテイメントの良し悪しはすべて私の責任なのですから。」ほとんどのスケジュールは本社があるロサンゼルスオフィスにて行われており、彼は何か問題が生じた場合必ずロスに報告することになっている。
例えばステージ上のエンターテイメントに関する乗客の反応を総合的に判断し全ての方々がエンターテイメントを楽しんでもらえるよう努めねばならないと言う。
例えば日本人や外国人グループの乗客が多く乗船するクルーズの場合、コメディアンのショーよりはダンスやミュージック等、言葉がわからなくとも楽しめるものへ変更するといったように。
毎クルーズ、全ての乗客が楽しんでもらえるようスケジュールの調整を行うのも彼の重要な役割だと言う。
体の不自由な方々用にエンターテイメントの劇場通路を車椅子で通れるための改善を施す等、今現在は聴覚に問題のある方のための映画にあるような字幕をつけるように改善していこうとも考えているところなのだそうだ。
今までに心に残るハプニングは?
それは92年のあるハロウィンのこと。ステージ上で仮装しているゲストひとりひとりに彼はインタビューをしていた。
するとある女性が真っ赤なストロベリーのペイントを施したタキシードを着ていたので、彼はなぜストロベリーなのかインタビューをすると、その女性は「実はこれはダブルストロベリーなのよ」と言って着ている服を突然脱ぎだしたのだそうだ。
するとなんと素肌にもう一つのストロベリーのペイントが施されていたと言う。
「それまでは彼女以外今まで誰ひとり気付くものがいなかったので面白かったと言えば面白かったのですが、彼女には皆さん大変驚かされました。」この時のことを彼は今も忘れることがないと言う。また彼の乗船中ある女性が船から落ちたといったアクシデントもあった。
「正確に言いますと飛び降りたのですが、もちろん、キャプテンがおりて的確に救助されたのです。
その時は暗く、デッキから海面まで距離も非常に高く、船をUターンさせ無事救助されたのですが。酔っていたかですか?いや・・違うと思います。滅多にあるわけではありませんが・・・。」毎クルーズ1000~2500人近くの方々が乗船していると言う。
そのためそこにはあらゆるタイプの方々が乗船するので数え切れないほどのハプニングは常にあるのだそうだ。
クルーズ業界の将来の展望について?
「プリンセス、カーニバル、RCIの世界3大クルーズラインは新造船計画も順調に進められビジネスの方は非常に良いところにきております。
それらのクルーズ客船会社同士は客船そのもののハードウエアにそれほど違いがあるというわけではないのですが、プリンセスではお客様方に多くの『自由と選択』を提供できるスペースを設け、客船会社が定めるスケジュールにお客様が縛られることなくクルーズライフをより満喫なさるよう努めております。
例えば他の客船が一つの劇場しか設けてないのに対し、グランドプリンセスでは3ヵ所の劇場を用意し、お客様の選択の幅を広げました。
また食事についても同様に数ヵ所のレストランの他、お部屋での24時間ルームサービスも可能と致しました。クルーズの団体行動的スケジュールを嫌いクルーズをなさらない方も少なくないと思います。
このような大きな客船では今までのクルーズにないたくさんの選択ができるのです。言い換えるならば『海に浮いているラスベガスのホテル』とでも言いましょうか。
またサービスに対するお客樣方からの評価も我々は常に把握しております。
クルーズを終えた方々が客船担当者、エンターティメント、食事、ウェイターなどを評価し、いかに心地よく過ごせたかによって将来彼らはリピーターとなり、またクルーズへ乗船するのです。
各クルーズ会社はそれぞれ新しい客船を投入しクルーズを通し色々な体験ができるように競争しているのですが、私は『サービスと選択』この2つは将来のクルーズにより多くのリピーターを増やすキーワードになるものと思います。
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