1998.12
「将来は港自体をテーマパークにしたい。 」そう語るのはカナベラル港エグゼクティブディレクターのモルコルム・マック・マクロフ氏である。
カナベラル港はここ数年のクルーズブームも手伝ってかクルーズ乗降客数も順調にその数を伸ばしている。しかし何よりもこの港が他の港と違い恵まれているのはディズニーワールド、ユニバーサルスタジオ、シーワールド、ケネディ・スペースセンター、そしてデイトナ・レーストラックといった年間4000万人が訪れる人気のアトラクションを近郊に数多く持つということだ。
カナベラル港から出港する客船の多くは3~4泊のショートクルーズがそのメインである。
この日程は一回の旅行に9~10日をバケーションに充てることが多いと言われるアメリカ人にとっては非常に都合がよいことかもしれない。
というのは港からクルーズを利用するアメリカ人旅行者の多くは2~3日を近郊のアトラクションに、その後の3~4日をのんびりクルーズにそして残りの数日をビーチや再びアトラクションやパークで過ごすというように、クルーズをバケーションの一部として楽しむことができるからだ。
また港側からすれば3~4泊のクルーズを組んでいる客船は優良な顧客である。単純に見ても1船の客船が1週間に2回港を利用してくれれば、港使用料としての収益も1週間のクルーズの2倍と大きいからである。
港はテーマパークやクルーズの人気とともに多大な収益をあげるようになった。昨年カナベラル港を利用した乗客の数は約140万人。昨年だけで約1000万ドルの収益を上げている。
予想によると1999年までに200万人が、2000年までには300万人がカナベラル港を利用するものと考えられている。
カナベラル港がクルーズ港として注目を集めるようになったのには前述した特殊な環境を近郊に持つという他にも、いくつかの理由があった。
例えば地中海、アラスカ、ヨーロッパのように、季節によって年の内半分しかクルーズができないデストネーションと比べ、年間を通していつでもクルーズが可能であるということと、また現在このエリアは大型客船全盛ゆえに比較的手軽な料金でクルーズが楽しめるということである。
ただし、カナベラル港には同じフロリダにあるエバーグレースやマイアミ港と大きく異なることがある。
それはカリブ海へのアクセスがやや離れすぎており、カリブ海クルーズには適していないことだ。
そんな理由からもカナベラル港からクルーズはいつの間にか3~4日のバハマへのショートクルーズが主流となった。
ところで港がオープンしたのは1953年のことクルーズ港としてスタートしたのは約25年前、当時は世界就航中の客船がまれに訪れる港であった。
実のところカナベラル港は当初海軍のための港として使用され、現在入江を挟んだ向こう側を連邦政府が管轄する水中発射ミサイルを備えた原子力潜水艦の基地に、手前を商業用として貨物輸送船と客船用港として利用されていた。
カナベラル港には現在2つの客船 ターミナルがある
。カーニバル社のファンタジーが5年前から、ロイヤルカリビアンインターナショナルとビックレッドボートとして知られるプレミアクルーズラインが昨年から利用し始めている。
また今年の7月よりディズニークルーズラインがここをホームポートとしたことで現在話題を集めているところだ。
ちなみにディズニーは来年の2月よりもう1船がこの港を利用することになっており、それに対応するため約7000万ドルという巨費を投じ2つの新ターミナルの建造も予定されている。
港側の最大の課題としていることとは港に中部フロリダのアトラクションのイメージを反映させ、カナベラル港を訪れる客がテーマパーク(バケーションランド)にいるような印象を持ってもらえるよう努めていくことだ。
そのため将来、港まで延びる新しい幹線や陸橋の工事が計画中の他、港周辺には公園やホテル、お店、レストラン等が建設中でちょうどサンフランシスコの港のような陽気さが漂う雰囲気の港開発が進められている。
国民レベルで言えば現在までに約75%のアメリカ人がディズニーを訪れたことになるが、しかしクルーズを体験したアメリカ人はその内の僅か6%にすぎないと言う。
この数値は港側にとっても将来非常に可能性に満ちた巨大なクルーズマーケットがそこにあることを示唆していることでもある。
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