2001.2
シアトル港 ウエストコースト(西海岸)で最近とみに人口増加が進んでいると言われるシアトル。
マイクロソフトで知られるビルゲイツの邸宅もここシアトルに置かれているというように、IT産業を支えるプログラマーのような若いアメリカ人達によってこの気候に富んだシアトルは知的で洗練された街として見直され始めている。コーヒーで有名なスターバックスはこの地が発祥だと言われる。
オタク系(失礼 )の彼等のスタイルを巧みに掴んだことも彼等の成功の要因なのであろう。
そんなシアトルにも待望の新クルーズターミナルが完成しいよいよ本格的なクルーズがスタートした。 昨年デビューしたノルウェージャンスカイが、今年からアラスカクルーズのホームポートとしてシアトル港を利用することが話題となっている。 
「この10年、シアトル市は地域社会からの支援を受け積極的に客船誘致を進めてきました。
シアトル港には1億2900万ドル(約141億円)と言われる巨費が投入され、ウォーターフロントを中心に多方面にわたり利用できる施設、そして、その隣に客船のための施設(ターミナル)などの建築を計画し、現在最終段階を迎えています。」と言うのはシアトル港広報担当のティナ・サルヅ氏である。シアトル港にノルウェージャンクルーズライン社(NCL社)から、ノルウェージャンスカイ(以後スカイ)のアラスカクルーズへのホームポートとしての受け入れの打診があったのは今から1年半年前のことである。シアトル港はスカイを“我らが客船”と親しみを込めて呼び彼女の受け入れを歓迎した。寄港地はグレッシャーベイ、ジュノーを経由し、再びシアトルに戻るというものである。
「シアトルそのものが見どころの多い美しい街なので客船を楽しまれる方々がぜひ街の方へも訪れて頂けることも願っております。」と氏。
新ターミナル付近の見所をここで少し紹介してみると。まずは港に対し向かって左側のウォーターフロント沿いにはシーフードレストランやお土産やさんなどバラエティー豊かな店が軒を連ね、遠方からの客を温かく迎えている。
またシアトルのダウンタウンはターミナルの向かい側に面しており、主だった見所はすべて歩いて行くことができる。
その他車を10分程走らせれば、つい最近オープンした全米で最も高価なスタジアムとして知られるニューマリーナー・ベースボールスタジアムがあり野球ファンにはうれしい(現在我々日本人にはおなじみの、あのイチローや城島選手が活躍していることは言うまでもないであろう)。 今年はスカイとロイヤルカリビアン社(RCI社)のビジョンオブザシーズ2船がシアトル港をホームポートとすることが決定された。
またホーランドアメリカ社のラインダム、ラディソンセブンシーズ社のナビゲーター、そしてセレブリティ社のギャラクシーとマーキュリーもシアトル港を訪れることになっている。
シアトル港は1船をホームポート用とし、一度に2船の客船を収容できる施設を備えている。
昨年シアトル港から乗船した乗客数は僅か7千人程であった。今年はそれを大きく上回る約11万2千人の客が乗船すると見込んでおり、それがシアトル市の経済に多大な影響がもたらされることを予想している。
「特にスカイのように業界でも話題に上っている新造船の利用は効果的で彼女の到来であらゆるタイプの客船会社がシアトル港に関心を持つようになりました。」と氏は言う。例えば新造船のデビューによりNCL社が450人、RCI社では500人の労働力(現地スタッフであろう)が新たに生まれると言われる。そのことから今年客船産業によって生まれた新たな労働だけでも2500万ドル(27億円)がシアトル市にもたらされるものと彼等は予想している。
港が初めてシアトル市に姿を現したのは1911年のことであった。
当時港は鉄道会社が所有していため、船によって人々がシアトルへ訪れることはほとんどなかった。
その後ようやく港湾整備が進みウォーターフロントの公共利用が可能となり始める。
国際空港が完成したのが1947年、そして1960年代のシアトルはコンテナ船が入港できるアメリカでも数少ない港として急速に発展を遂げ、現在のように西海岸で最も成功したコンテナポートとなった。
彼等の顧客の中には日本の貨物船会社Kラインも含まれこの港との関わりは古い。
彼等が現在せねばならないこととはシアトルをホームポートとする客船が順調に集客できるようその手助けをすること。
そのため乗客がターミナルからスムーズに移動できるようより良い環境整備に努めているところである
。また現在NCL社の客船が週に2度にシアトル港を利用しているのであるが近い将来、毎日多くの客船達にホームポートとして利用してもらえるよう施設の拡張も検討中だと言う。
彼等は今のクルーズ産業の流れからシアトル港は今後も有望な港として見ている。なぜならアラスカクルーズのマーケットは年約8%の増加を続けており今後まだまだ可能性があるからだ。
また3~4日間のショートクルーズマーケットに対しても期待を寄せている。 彼等が客船誘致に向け本格的な計画をスタートさせたときに見込んでいた客船は800人~1200人の乗船できる客船であった。
しかし客船は驚くべきスピードで変化(大型化とクルーズ人気の高り)したため、彼等の計画は大幅に見直されることとなる。
ターミナルは当初予定していた3万2000スクエアーフィートから5万4000スクエアーフィートに拡大され、港を利用できる客船も結局乗客数2000人~2400人のスケールのものへと変わった。
「現在乗客達の移動と空港内での混雑を解消させ、彼等にスムーズに乗船して頂くため主だった航空会社に働きかけているところです。」と氏。
また300万ドルを投入したギャングウェシステムの改善の他、車での利用をする乗客のためバスまたはフェリーでアクセスできるよう郊外の駐車場施設の充実にも努められているところだ。
また近い将来新たな客船がシアトル港を利用することを考え、シアトル市委員会は新しいターミナルのためさらに1600万ドル(約17億円強)の予算を組むことを決定した。
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