PORT SAN FRANCISCO of cruise-ok

Port of San Francisco

2003.2


かつてサンフランシスコ港は、ハワイや南米クルーズへ出航する港として多くの客船で賑わっていた。
ここ数十年はカリブ海クルーズに人気が集まり、フロリダの各地にそのお株を奪われていたが、最近アラスカ、カリフォルニアクルーズが脚光を浴び始めたことで再び活気を浴びを取り戻そうとしている。以前紹介したシアトル港に続く第2弾として、新たに生まれ変わるサンフランシスコ港を取材した。
インタビューに答えてくれたのはマリタイム・マーケティング・マネジャーのジェラルド・L・ロイバル氏である。PSA01.jpg
『ビッグプロジェクトでクルーズ港復権を目指すポート・オブ・サンフランシスコ 』
現在2005年を目指して、新サンフランシスコ港建設の着PSA03.jpg工準備が進められている。実際工事が始まるのは2003年4、5月の予定でなるが、総工費4億5000万ドル(約540億円)という大プロジェクトによって、レストラン、カフェが並ぶショッピングモールの他、オフィス、ルーフトップガーデンなどを備えた美しい港に生まれ変わることになる。
「25年以前のサンフランシスコ港といえば、年間130隻もの客船が訪れるとても賑やかな港でした。それもハワイクルーズの人気や就航エリアの変化とともに一時は減少へと向かったのですが、ここ数年港を訪れる客船の数も徐々に戻り始めています。」とロバイス氏は語った。
「2000年度には47隻の客船、8万人の乗客が港を訪れ、このまま順調に増加が続けば次の5年間に約20万人の方々が訪れるものと我々は予想しています。」とはいうものの現在使用している港ターミナルは貨物船専用のため荷物の積み下ろし設備や、また現在主流となりつつある大型客船の停泊スペースなど、港施設全体がすでに限界を超えていると言われている。
「港としてライバル港(例えばロサンゼルスなど)に負けない競争力を持つためにも、今新港の建設は必要なのです」と氏る。 ところで新港建設にあたり、そこにはいくつかの大きな問題があった。その一つがクルーズのシーズンだ。通常カルフォルニアをベースとする客船のシーズンは4月中旬から10月中旬までである。
そのため残りの180日間は、ほぼ開店休業状態を強いられることになる。さらにその立地場所でもあるダウンタウンエリア(街中)の高額地価も彼らの前に大きく立ちふさがった。
いずれにせよクルーズ港としてだけでは、とてもそれらを賄えるほどの収益が得られないのは確かであった。PSA07.jpg
それに対し彼らが出した答えとは、投資会社の参加と州政府や地元コミュニティーとの協力によるプロジェクトの立ち上げであった。簡単に言えば複合施設の一部として港を設けることである。
プロジェクトが関与するエリアは13エーカー(約5万3000平方メートル)の敷地面積を持つ海側のエリアと、2エーカー(約8000平方メートル)の内陸部で、現在の計画では海側の方はクルーズターミナル、駐車場スペース(500台にお収容能力)、オフィススペースの他、ジャズクラブ、映画館、レストランといった商業スペースなど4つの混合施設で構成され、また通りを挟んで向かい側陸上部は、コンドミニアムのような住宅施設の建設が予定されている。
今回その土地はすべて州のものであるため、投資家(それぞれの施設に投資する)グループとともにカリフォルニア州から60年約束で借り受けることで承認を受け、各施設から得た収益により州に返済することになっている。
プロジェクトを進めていく上で問題も浮上した。例えばオフィスを水際に置くことは通常州の規則に違反している。しかしそれを州に複合施設の一部として理解してもらい、また地元コミュニティーや客船産業、労働組合の後押しがあったことでどうにか承認を得たのであった。PS-1.jpg
「何しろオフィスは今プロジェクトの中でも安定した収益をもたらす重要な部分なので・・・」彼等もその結果にまずひと安心といったところか。
さて肝心の港施設なのだが、まず客船バース(船の停泊スペース)は850フィート(約255メートル)と1000フィート(約300メートル)の」スペースを持ち、2隻の大型客船の停泊が可能だ。港側が理想とする客船はサンクラス(サンプリンセス/77000トン)サイズのもので、現在プリンセス社の客船がレギュラーでの利用を要望している他、クリスタル、ロイヤルカリビアン、ノルウェー社など10数社が今後利用するものと予想されているちなみに2002年は14のクライアントによる 20隻の異なった客船が現サンフランシスコ港を訪れることになっている。 
ターミナルは一階がチェックインデスクで2階がパッセンジャーレセプションになっており、チェックインなどのオペレーション業務は、アジア地区のクルーズ港として実績があるシンガポール港のスタッフたちに委任しているのだそうだ。
(シンガポールベースで順調なビジネス経験を持っている)「そのことによって乗客のスムーズな誘導が実現できるものと思います。」とロイバル氏。
また昨年のテロ事件を教訓としターミナル内にはX線機器の導入も検討されセキュリティー面に関しての強化もなされた。
ところで新しい港のロケーションは、現在使用されている港から約1マイル(1.6キロ)南へ移動することになる。
あのホームランキング、ベリー・ボンズ選手が活躍するプロ野球チーム、サンフランシスコ・ジャイアンツのホームにもほど近い場所だ。
施設自体が「コミュニティー・アトラクション」になっているので、客船を降りればすぐそこに美しいくつろぎのスペースがあることは乗客にとっても望ましいであろう。 「我々の港はマイアミ港のように客船会社が自身のターミナルを持ち(ローヤル・カリビアン 社のように)、高いサービスに努めているというものではありません。
私どもの港では客船は皆同じターミナルを利用するためサービスは最小限のものです。しかし我々は常に「CLEANE 」「SAFE 」「SECURE 」(清潔、安全、安心)をモットーにしたターミナルを目指し、皆様をおもてなしいたします。」