船旅をした方なら下船時に、または乗船時になかなか進まぬ長い列の後ろで待たされた経験があるのではないだろうか。それが天気が良ければまだ良いがスコールのような大雨にでも遭遇したものなら・・。そこで登場したのがA-PASSといったセキュリティシステムである。
A-PASSシステムとはパッセンジャーカードに個々の乗客の情報を入力することによって乗客の方々の安全を担うセキュリティシステムのことだ。
約2年前よりバハマへのショートクルーズに導入されたのを手始めにプリンセスクルーズ、カーニバル、ホーランドアメリカ、ロイヤルカリビアンなど大手客船会社にも導入されるようになった。
A-PASSとは、「オートメーテッド・パーソナル・アシスタント・セキュリティ・スクリーン」の略である。このシステムが市場に初めて登場したのは約4年前、もともとSISCO社(セキュリティ・アイデンティフィケーション・システム・コーポレーション)はセキュリティビジネスに約25年の実績を持ち、銀行、空港、州刑務所の他、例えば核兵器のように厳重なセキュリティを要する施設、また政府関連の事務所や工場内などを主な顧客としていたが、昨今の客船の大型化により精度の高いセキュリティを客船会社が要求していたことから客船市場への参入を果たした。
「客船への設置にあたって我々は約7ヵ月間現場で調査をし、実際クルーズを通し客船というものが何を必要としているのかを理解し、その結果客船会社側が必要とするテストによってこのような形となったのです。」とA-PASS社のプレジデントでもあるアンソニー・ザガミ氏は言う。
A-PASSシステムは機能性においても優れたデザインがなされ、船内のどのポジションへもシステムを移動して使用することが可能だと言う。
このシステムの具体的な機能だが、まず乗客は乗船時に顔写真と必要とされる情報をプラスチックでできたパッセンジャーカードに記録され渡される。
表面には乗船した日、乗船する客船の写真、そしてキャビン番号といった情報が表示され、そして裏面には磁気テープとバーコードでチェックインの時間、名前、パスポート番号、生年月日、顔写真のデータが記録される。通常カードは室内キーや船内ショッピングに使用できるのだが、各寄港地での乗船のIDカード(身分証明書)ともなる。
例えば乗船時にギャグウェイに置かれるセキュリティデバイス(読みとり機)にパッセンジャーカードを挿入すると、カードの所有者の顔写真と必要なデータがオフィサー側のコンピュータースクリーンに表示され、身分の確認がなされることになっている。
その際の一人当たりに要する時間は約2秒。このことによってスムーズに乗客達の乗下船を可能とし、従来のように順番待ちに長い列を作るといった問題を解消した。もちろんA-PSSシステムはピストルといった金属にも反応し、テロリスト対策にも万全を期すなど精度の高いセキュリティシステムも備えている。
またそれら機器には船が出港を控えまだ誰が乗船していないかの確認もできるため、乗り遅れる乗客の問題も解消する助けにもなっている。
現在このA-PASSシステムを搭載する客船は、7万トンクラスの客船で3~4台のシステムを。
またグランド・プリンセスのように世界最大級の客船には5台のA-PASSが備え付けられていると言う。
SISCO社が客船会社とのビジネスに強い関心を持ったのは、数年前のこと。それは氏が体験したある船旅での出来事からであった。
クルーズ中彼は各寄港地での乗客の乗下船に対し、客船側が乗客たちの流れを全くコントロールしていないことに気づいていた。
そればかりではない彼が乗船したクルーズではある寄港地で一組のカップルが島に取り残されたまま客船は出港してしまうというアクシデントも起こった。
このときのことが彼等の目を客船産業へと向けさせたのだと氏は言う。 「船旅を楽しむ乗客は次のクルーズにさらなる快適さを求める一方、また安全面に対してもより以上の安全を保証してくれる客船を探しているのです。」そのことを予想し客船会社側も常に変化し続け、新たなる改善を求められているのだそうだ。
「客船会社は人々が望んでいることをイメージし、常に要求されることを提供せねばならないという必要に迫られているのです。
ここ数年多くの方々が船旅を利用する理由の一つに『船旅が他の旅の中でも特に安心できる旅』であることが上げられております。
我々のシステムはまさにそのコンセプトの上に成り立っているのです。将来においてより厳しく安心して乗客達が船旅をお楽しみ頂くことができるようSISCO社はこれからも最善を尽くしていくことでしょう。」
HOME
FROM SKY
OASIS OF THE SEAS
BLOG
GSA
REPORT
