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1998.10
日常の喧噪から逃れ降り注ぐ太陽の下デッキチェアーに体をあずけクルーズを楽しむ乗客達。色とりどりのドリンクと軽快な音楽がバケーション気分を一層盛り上げる。
やがて日も傾けば女性達はその日のパーティに備え船内へ、そして昼間の姿からは想像できぬほどの淑女へと変身した女性達。
そこには必ずと言ってもよいほど“スティナー”の存在があった。
現在異なった客船でサービスにあたる彼らスタッフの数は約900人。ステイナーは23社の客船会社が所有する94隻の船内で、主に乗客達のビューティサービスやスパを担当している。
ビューティサービスと言いうのはフェイシャル(顔のマッサージ)、ネイルケア、各種マッサージを指し、その内の約半数の客船には彼ら独自のフィットネスプログラムも設けられている。
またつい最近デビューしたセレブリティクルーズラインには客船では初めて本格的なセラピーサービスも加えられた。
ここ数年客船会社は彼らの必要性を感じステイナーから提案された新プログラムの導入に積極的に関心を示し始めている。客船内で美容部門を提供している会社として彼らは約30年の実績を誇り、また英国のエリザベス女王やその母親の美容に古くから関わっていることから、英国は彼らの会社のネームカードや印刷物にロイヤルの紋章や著名を載せることを許可していると言う。
ステイナーはもともと英国人オーナーのロールド・ヘーモン・ステイナーが1934年にイギリスにヘアサロンを開いたのが始まりであった。
その後、彼はオーストラリア、南アフリカ、ヨーロッパといった国外の国にもサロンを広げ幅広いネットワークを築き始めた。
ステイナーが直接客船ビジネスに携わり始めたのは1960年、「アンデス」といったギリシャの小さな客船に入ったことがきっかけであった。
その後クイーンエリザベス2世号には1967年の処女航海以来ずっとサービスに携わり、1994年には当時美容会社としてはライバルでもあった「コンフイェラ・テクニック」と合併。
そのことにより一挙に90隻の客船が彼らのサロンを受け入れるという客船専門の美容会社となった。
そして翌年にはステイナーはニューヨーク株式取引所で株を公開するまでに成長した。現在ステイナーの法人本部はバハマに置かれ、マイアミ 事務所にはオペレーションとサービスの管理センターを、またロンドンには主にヨーロッパ諸国で採用されたスタッフのためのトレーニングセンターが設けられている。
美容ライセンスを所持する採用者たちはその後約6週間かけてステイナーのサービスについてのオリエンテーションとトレーニングを受け、そして初めて彼らは客船で働くことが許可されている。
客がステイナーに求めるのは、彼ら個々によって異なる。
例えばクルーズ中のエアロビックスを好まれる方や、また中には各種のフェイシャル、マッサージ、ビューティーセラピー、ボディラップといったトリートメントサービスを好まれる方もいる。
彼らが求めているのは皆共通に美への追究なのだそうだ。
そのことからヘアとネイルはまだ彼らにとっては大きな比重を占めている。ステイナーはそのプログラムに関する資料は船内に用意し、ビデオは部屋、ラウンジなどで見ることができ、客が自分に合ったものをそれから選ぶことができるようになっている。
彼らのスタッフの数の約90%はイギリス人、あとはオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ヨーロッパ諸国からのスタッフで構成されているのだそうだ。
彼らがスタッフの教育で重視していうことは、ひとりひとりがプロとしての自覚を持ちサービスにあたるということ。特にマッサージといったプライベート性を要求されるものなど、いかにスタッフが客に対し親身になってサービスに応えられるかに重点が置かれ教育が施されているのだそうだ。
彼らはまた船内のサロンやトリートメント・スパ等の施設のデザインも手掛けている。
彼らの専属デザイナーは客船側が求めているテーマに対しイメージを膨らませ、それにあったアイデアをとり入れながらデザインすると言う。
彼らが心がけられていることとは客がストレスから解放され、フレッシュ感を肌で感じて頂けるような環境つくりに努めていることだ。
現在ステイナーの収益の約95%は船上のオペレーションが占め、陸上の方はほんの僅かと言うように完全に客船主体の会社である。
しかしながら彼らは船上での順調なビジネスの勢いをかって現在新たなチャレンジに乗り出そうとしている。
それは船内で認知されたステイナーオリジナルの基礎美容製品「エレムス」のブランドを陸上でも展開することであった。ステイナーはイギリス国内に製造会社を持ち香港、台湾、シンガポールといったアジアを手始めとしオーストラリアなど世界規模でのマーケット拡大に動いているところだ。もちろん近い将来日本への進出も視野入れているとのこと。
またもうひとつのステイナーのチャレンジは12月に完成予定のバハマの「アトランティス・ホテル」に彼らの店舗が入る予定になっていることでもあった。
彼らにとっては地上をベースとしたオペレーションとスパは北アメリカも含め、カリブ諸国ではもちろん初めての試みである。
1万5千スクエアとスペースも大きく取られた上に施設やジム、そして各種トリートメントも充実し、社をあげて今から完成を楽しみにしているとのことである。
またこれからデビューするプリンセスクルーズ社の新造船やディズニーの客船内にも我々のプログラムはとり入れられるのだそうだ。
さらなる飛躍を続け進化するステイナーの今後が楽しみだ。「 皆様にいつの日か船内でお目にかかれることを楽しみにしております。 」
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