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1999.4
アルバムをめくればそこには懐かしい思い出が甦ってくる。写真は時には何ものにも代えることのできぬかけがえのない宝物となる。
乗船から下船までクルーズを通し乗客の表情を追い続けている“オーシャンイメージ社”はそんな我々の思い出作りのお手伝いをしている会社である。
オーシャンイメージ社の店舗が置かれる客船は28隻。
ホーランドアメリカ、クリスタルクルーズ、ノルウェージャン、シーボン、セレブリティ社の他、スカンジナビアフェリーのシリヤクルーズなど“クルーズ・フォトグラフィー・サービスカンパニー”として業界最大手の地位を確立している。
オーシャンイメージ社の現オーナーでもあるジム・スティブス氏が客船業界と関わりを持ったのは1955年のことであった。
氏がスウェディシ・クリッパーラインのステラポラリスにカメラマンとして乗船したのが最初のことであった
。その後オーシャンイメージはスティブス氏と68年から共にパートナーとして働くケイス・パカム氏によって88年にイギリスのチャンネル・アイランドに設立された。
現在フロリダオフィスに彼を含めスタッフ5人が北アメリカとカリブ海へ就航する客船のために、ヘルシンキにケイス氏と同人数のスタッフがヨーロッパ方面を担当、そしてその他にNCLの客船のためオーストラリアのメルボルンにも1名が常駐しオペレーションを行っている。船で働く彼らカメラマンは総勢115人。
シーボンのようにただ一人のカメラマンしか乗船していない客船を除き、通常それぞれの客船には5~6人のスタッフがチームを組み乗船させているのだそうだ。
撮影と言っても客船という特殊な環境ゆえに彼らの仕事は単に客を撮影しさえすればよいというわけではない。
時にはエンターテイメント的要素も求められる。例えばクルーズ中、乗客の心は寄港地やその時々によっても変化している。
そのためいかにその変化を受けとめ、その状況でどのような写真が必要とされているかを見極めねばならない。
彼らが得意とするのはポートレートからカジュアルフォトまでをカバーした“パッケージフォト”である。特にポートレートに関してはそのビジネスの約40%と大きな比重が占めていると言う。客一人当たりのカット数はひとつのクルーズで10カット前後。
平均するとその内の約50%の写真が実際の販売数(撮影しプリントしても後は廃棄)だというのだからそれほど甘い世界ではないようだ。
ちなみに日本人の乗客はひとクルーズでの一人当たりの 売り上げが95ドル。彼らにとっては大変良い顧客だとなっている。尚、前述したパッケージフォト以外に例えば仲の良い友人達や親族の ファミリーフォトなど特別な撮影についてもリクエストがあれば答えてくれるのだそうだ。
ここ数年のあらゆる技術革新はこの世界にも少なからず変化をもたらそうとしていた。
例えば1985年にロイヤルバイキングシーで最初にウォーターレス(水の使用を極力抑えた)写真現像を導入してから約20年。
最近彼らは登場したばかりのデジタル写真現像機の導入に新たな期待を寄せている。「最近我々が導入したコンピューターと接続が可能なこの機器は、フィルムを読み込ませるとデジタルに変換され、それにより即座にイメージ映像を映し出すことができるのです。」とスティブス氏は写真が新たな可能性を持ったことを熱く語った。
この新しいストーリー性を備えたニューメディアは従来のものにない大胆な表現を可能とし将来的にも大変期待が持たれているのだと氏。
また彼はクルーズ産業はここ数年大変大きな変化の中にあるのだとも言う。例えば航海上、政府は「環境に優しく」をうたい化学薬品の使用等、以前に以上に厳しくチェックがなされるようになった。
またそれと同時に現像機の方もウォーターレス技術の改良が年々重ねられ性能もかなり良くなってきている。
「昔の客船はといえば、写真現像機は通常客船の奥まった場所に置かれておりました。ところがここ数年それが以前より客の目に触れる場所に置かれるようになってきたのです。」現像機の性能的進歩もさることながら、このことは彼らのサービスが乗客に徐々にだが受け入れられるようになってきているということだ。
ここ数年客船人口は年々増加の一途を辿っている。
「クルーズはここ数年ホテルベースのバケーションにとって代わろうとしているようです。このクルーズ人気とともにリピーターの人口も確実に増加しております。
一度船旅を通じ我々のサービスにご満足なされた方々が再び私どものサービスを必要とされたなら、私どものビジネスはより拡大されたものになるでしょう。」つい最近オーシャンイメージ社はNCLと契約し、さらに10隻の客船に彼らの仕事場が加わえられた。
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