GREATER CASINO of cruise-ok



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2000.6


夜も更けるごとに周囲の静寂とは裏腹に、ひと際魅惑的な輝きを帯び始める場所が船内にある。まるでラスベガスやモンテカルロをも彷彿させるかのようなきらびやかな世界。そうそれがカジノだ。
客船カジノ業界で特に歴史の古いグレーター・アトランティック・カジノ社へのインタビューを通し、客船の中に置かれる現在のカジノの状況、そして海上という特殊な環境故の難しさなどを伺った。 
船内カジノのオペレーションや機器搬入を一手に任されている“グレーター・アトランティック・カジノ社”(以下略しアトランティック社)はこの世界で25年の実績を誇り、客船カジノに携わる会社としては業界最大手であるだけでなく、業界のパイオニア的存在でもある。
現在彼らがサービスを提供している客船会社はロイヤルカリビアンを筆頭にノルウェージャンクルーズ、コスタ、ホーランドアメリカと言ったメジャー客船会社を含め、今までに少なくとも200隻以上もの客船に彼らのサービスが提供されていると言う。 
まず最初にアトランティック社がどのようにしてカジノ業界にビジネスを展開することになったのか話を伺ってみた。 
もともとアトランティック社のスタートは今回インタビューに答えてくれたグラーターアトランティック社の社長でもあるエリック・ラフン氏の父親が生活必需品等を主に海軍のためにセールスしていたところから始まる。
ある日、彼の父のもとにバミューダー諸島のある軍基地から軍管轄のクラブにピンボールマシンを入れてくれないかと言った注文があった。GA2.jpg彼はさっそく彼らの希望に添った機種を幾つかの業者の中から選び、無事導入をすることができた。それは当時バミューダ諸島に設けられた初のゲーム機器でもあったと言う。
その後、彼はその時のビジネスをきっかけに知り合った機器製造業者たちと親交を深めることになる。彼らにとっては軍に太いパイプを持つ彼との関わりは今後ラスベガス以外の市場を開拓する絶好のチャンスでもあった。
それからしばらくしたある日のこと、彼はフォートローダデール(フロリダ)にある”マキシム・ゴーリキ”というロシア客船内でスロットマシーンのオペレーションをしている会社から電話を得ることになる。ところが納入にフロリダを訪れるとなんとその会社オーナーは数日前に亡くなったことを知れされる。
結果的には会社を引き継いだ彼の奥さんによって契約は果たすことができたのだが、彼にとっての初めての客船との関わりはそんなところから始まる。
しかし人の運命とはわからないものである。
彼がそのビジネスのためフロリダを訪れた時、後にカーニバル社を設立することになるノルウェージャンクルーズ社(NCL)のテッド・アリソン氏のもとを訪ねていたのである。
まさかそのことが彼のその後の運命を大きく変えようとは誰が想像していたであろう・・・。
彼はNCL社との間で契約を交わしただけでなく、アリソン氏がNCL社を辞め、新会社カーニバル社を設立したことで、彼らの最初の客船カーニバルとトロピカルへビジネスを展開することにもなったのだ。
当時彼ら(父とスタッフたち)は今までのようにマシーンの供給だけではなく、客船会社と協力し船内カジノのデザイン、またカジノのためのマネージメントスタッフの提供、ビンゴやロッテリー(ギャンブルゲームのひとつ)の進行の他に娯楽ゲームの設置まで任され、さらにカジノで得た収益に対するお互いの契約までをも取り交わすところまでいったのであった。
そしてその時の経験が今日の“アトランティック社”の客船ビジネスの基礎を築き上げることになる。 
現在アトランティック社はフォートローダデーズと、ジェノバ(イタリア)にある2つのオフィスに20名のスタッフ達が働き、また250名からなるスタッフ達によって世界の様々な海域を航海する客船のカジノが任されている。
彼らのカジノスタッフ(ディーラー)達GR01.jpgが実際船上で働くまでには陸上以上に厳しい条件が求められている。例えば3~5ヶ所以上の陸上のカジノで働いた経験があること。
また彼らはアトランティック社独自のカリキュラムによるトレーニングを受けることも強いられている。
なぜならば船上でのカジノと陸上のそれとは大きく異なる環境にあるからと現社長でもあるエリック・ラフン氏は言う。
例えば客船でのカジノというのは、客はバーケーションのひとつとしてそこでの時間を楽しみ、居心地良く過ごすことを望んでいるのだということ。
そのためディラーは勝敗ばかりにこだわるのではなく、また時には彼らにはエンターテイメント性も要求されているのだと言う。
一般に彼らのゲームでの掛け金は陸上のそれより低く設定されている。
そのため彼らは訪れた客が充実した時間を過ごされるよう常に努めているのだそうだ。ちなみに彼らの世界ではそれを“ソフトゲーミング”とも呼ぶのだそうだ。 
カジノの世界のビジネス理論とは可能性と収益との統計に基づき考えられており、それは時間に対して得ることができる金額なのだと言う。
具体的に言うと例えばいくつのテーブルで何人の客がゲームしているのか。
その中から彼らのそのクルーズの収益のパーセントがはじきだされ、それによりビジネスは成立するのだそうだ。 
ところで船上はキャプテンを頂点とした階級制がとられる特殊な環境である。
いかにスタッフたちが他のスタッフ同士とうまく接し合え、バランスよく仕事と生活を両立できるかが常に大きな課題である。また客に関しましても陸上でのそれとは異なったものがあるのだとエリック氏は言う。
なぜならば、乗客は一週間単位(クルーズによっては3日、4日)で入れ替えられ、カジノを訪れる客が常に同じではないことである。
スタッフ達の上司であるマネージャーは常に丁重な気持ちを持って客をおもてなしせねばならないといったことを忘れてはならない。
 ここ数年、船内カジノに対する乗客の需要も伸びており客船会社オーナーも、“カジノ”を重要なサービスのひとつとして位置づけるようになったのだそうだ。
例えば、今までカジノが船内でも隠れた箇所であったものが、現在では最も人の流れの多い場所に設けられるというように変わったのだと言う。
今や客船産業の中で“カジノ”は完全に認知され客船が収益を上げるために必要な役割のひとつにもなり始めているのだとそうだ。 
またビジネス面でここ数年の客船業界の傾向は少しずつ変わり始めているとエリック氏は言う。
 中でもゲーム機器の技術的変化はめざましく、従来の電気機器のものからコンピューターを駆使したものへと代わりつつある。
そのことで以前までの優秀な電気技術者から、今やチップ(半導体)の管理が中心となるコンピュータ技術者に移り変わろうとしていると言う。
また最近の傾向だが客船会社によっては自社でマネージメント面を行うところも出てきているのだそうだ。 クルーズはまさに“グッドバケーション”。
乗船のおりには私どものカジノの方へぜひ足をお運びください。